2つのアナリティクス | 第一線で活躍するオープンソースエキスパートが綴るスペシャルコラム。

2つのアナリティクス

データサイエンスの力でビジネス課題を解決したいすべての方々へ。データ活用の心得、即使えるテクニックや陥りがちな失敗パターンなど、コラム形式で連載していきます。

[2015年11月13日 ]
株式会社KSKアナリティクス
データアナリスト 足立 悠

 先ほどの図に示すように、ビジネスインテリジェンス(BI)とビジネスアナリティクス(BA)は、異なる分析手法(アナリシス)を持ちます。なぜでしょうか?

 その理由は、BIは過去(現在)の状態を把握し、BAは将来を予測する、という利用目的が異なるからです。両者の使い分けとして、BIを使ってデータ全体を俯瞰し、問題を見つけ課題を洗い出し、BAを使って課題を1つずつ解決していく、ということができます。

 例えば、ECサイトを運営しており、会員情報や購買履歴データが蓄積されているとします。
 BIを使えば、データから30代前半の男性顧客のうち20%が離反したという全体的な情報が得られます。顧客を大枠で捉えているので、各顧客が20%の確率で離反するという訳ではありません。5人に1人が離反したことはわかりますが、継続する4人と離反する1人を見分けられません。
 そこで次にBAを使って、データから継続顧客と離反顧客を差別化する行動パターンを発見し、残りの8割が今後離反するかしないかを予測します。そして、離反しそうな顧客に対し離反を防止する対策を講じて、顧客全体の離反を改善できます。

 このように、BIとBAを目的に応じて使い分けて、ビジネス価値を創出していく必要があります。次回は、BIとBAそれぞれについて、もう少し掘り下げて紹介します。

著者プロフィール

株式会社KSKアナリティクス
データアナリスト 足立 悠(あだち はるか)

 大手電機メーカーでエンジニア、事業会社でデータ分析者を経てKSKアナリティクスへ入社。機械学習・ディープラーニングを用いたレコメンデーション、異常検知を得意とする。また、分析セミナー講師や技術雑誌への記事執筆も行う。

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