スマートファクトリー(Smart Factory)とは、「工場全体の効率的な稼働を実現することで最大の利益を生み出す環境を整えた工場」を意味する。

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スマートファクトリーとは

スマートファクトリー(Smart Factory)とは、「工場全体の効率的な稼働を実現することで最大の利益を生み出す環境を整えた工場」を意味する。

目次

スマートファクトリーとは
■概要
■主なメリット
・情報共有
・設備管理
・生産性向上
・品質向上
・エネルギー効率向上
・コストパフォーマンス向上
■市場規模予測

各国の経緯と状況
■ドイツ
・インダストリー4.0
■日本
・工場機器データの取得
・システム間連携の促進
・国内標準化団体の設立
・ドイツとの連携
・アメリカとの連携
■国際標準化
・国際標準策定
・日本規格「IVRA」

日本におけるスマートファクトリーに関する指針
■日本と海外のニーズの違い
・海外でのニーズ
・日本のニーズ
■サイバーフィジカルシステム(CPS)
■日本の製造業の課題

スマートファクトリー事例
■飲料製造工場
■航空機メーカー「AIRBUS社」
■エンジンメーカー「GE社」

スマートファクトリーとは

■概要

スマートファクトリー(Smart Factory)とは、「工場全体の効率的な稼働を実現することで最大の利益を生み出す環境を整えた工場」を意味する。

センサーや設備を含めた工場内のあらゆる機器をインターネットに接続するIoT(Internet of things)化を行い、品質/状態などのさまざま情報を「見える化」し、情報間の「因果関係の明確化」を実現する。

設備同士の情報連携(M2M:Machine to Machine)を行い、さらに、人と設備が協調して動作できるサイバーフィジカルシステム(Cyber-Physical System)となることを目指す。

IoTに代表されるネットワーク対応の進展と、ビッグデータに代表される大量データの蓄積/分析を可能にする情報分析技術の登場により、設備/工場全体のネットワーク化を進め、既存工場に対して次元が高い工場管理を実現する動きが始まっている。

■主なメリット

工場をスマートファクトリー化することで、さまざまなメリットを享受できる。

情報共有

・データの一元管理---現場単位での閉塞的な情報管理から情報共有による一元管理へ
・情報のリアルタイム性向上 など

設備管理

・生産設備の稼働監視
・設備異常検知/予測
・停止回数/停止時間/復旧時間の正確な把握 など

生産性向上

・マスター生産計画による一元的生産指示
・生産効率向上
・工場全体としてのスループット拡大 など

品質向上

・詳細な品質分析
・品質管理レベルの向上
・不良発生時の原因特定と迅速な対処
・継続的な工程改善 など

エネルギー効率向上

・エネルギー使用量の見える化---生産品目毎の消費エネルギー集計
・省電力化---効果的な省エネ活動
・省資源化
・CO2削減 など

コストパフォーマンス向上

・効率的な人員労務管理
・効率的な在庫管理---廃棄削減
・再作業の減少
・管理コスト削減---書類作成の間接工数削減
・キャッシュフローの改善 など

■市場規模予測

スマートファクトリー市場は急速に拡大している。

米国の調査会社「マーケッツ&マーケッツ(Markets and Markets)」が2016年3月に発表したレポート「スマートファクトリー市場」によると、同市場規模は「2022年までに年平均成長率10.4%で成長」「2022年には748億ドルに達する見込み」であるとされている。

各国の経緯と状況

■ドイツ

インダストリー4.0

ドイツ連邦政府は、2011年、「インダストリー4.0」というコンセプトを示し、国家プロジェクトとして取り組みを推進している。

これは、製造業界全体をIoTを活用したデジタル連携させることで、製造業界全体の効率化と高品質化を実現し、ドイツ製品の国際競争力を高め、産業界全体で利益を高める取り組み。

インダストリー4.0では「ドイツ国内工場のスマートファクトリー化」が目標を達成するための中心的な役割として重要な手段として位置付けられている。

■日本

工場機器データの取得

スマートファクトリーの概念は、日本の製造業からも多くの関心を集めるようになっている。日本の工場においては、生産機器や管理システムからのデータ取得を開始している製造業は増えてきている。

システム間連携の促進

データ収集は始まってきているものの、それらのデータを分析して活用する段階までに至っていないケースが多くを占めており、工場の全体最適化につなげるための改善点は多いという指摘がある。

生産機器や管理システムから収集したデータと、「ERPなどの基幹システム」「製造実行システム」などの関連システムを接続し、各システムから得られらたデータの相関分析を行い、工場と経営の全体最適を図れるようにすることが重要とされている。

国内標準化団体の設立

スマートファクトリーの実現には、異なるシステムや機器間を接続する必要があるが、それぞれが異業種や競合対象である場合が多く、標準化できない状態が続いていた。

2015年、「ロボット革命イニシアティブ協議会」「IoT推進コンソーシアム」「IVI(Industrial Valuechain Initiative)」など、スマートファクトリーを実現するための標準化について話し合える会議体が設立された。

2016年には、「日本政府」「国内標準化団体」「海外政府」「海外標準化団体」などにおける協力体制構築への動きが進んだ。IoT推進コンソーシアムは、フォグコンピューティング普及促進団体「OpenFog Consortium」との提携も進めている。

ドイツとの連携

2016年、日本政府とドイツ連邦政府は、IoTおよび第4次産業革命における覚書を締結した。

同時にそれぞれ国の主要推進団体同士が協力を発表し、実際にさまざまな活動が進み始めている。

アメリカとの連携

2016年、IoT推進コンソーシアムは、米国IoT実装団体「IIC(Industrial Internet Consortium)」との提携を行った。

IICでは、ドイツのインダストリー4.0推進組織「プラットフォームインダストリー4.0」と標準化などにおいて連携する方針を示していることから、日米独の連携関係構築の発展が期待されている。

■国際標準化

国際標準策定

スマートファクトリーに関する国際標準化の動きも進んでいる。

2016年、「プラットフォームインダストリー4.0」や「IIC」は、業務/プロセスなどに関する全体モデル「リファレンスアーキテクチャ」を策定し、具体的な取り組みを開始した。

2017年、国際標準化団体「IEC(国際電気標準会議)」や「ISO(国際標準化機構)」では、それぞれ、スマートファクトリーに関するワーキンググループを設置し、各種規格についての検討が行われた。そして、IECとISOのワーキンググループが連携を進める動きも出てきており、世界的なスマートファクトリー標準化の動きが加速している。

日本規格「IVRA」

国際標準化に対して、日本の規格を導入する動きもある。

IVIは、2016年、「日本のモノづくりの強み」「日本の現場力」などのモデルを織り込んだ独自のリファレンスアーキテクチャとして「IVRA(Industrial Value Chain Reference Architecture)」を作成し、IECとISOの共同ワーキンググループに提出した。

すり合わせ作業が進められることで、日本の規格が標準化される可能性も出てきている。

日本におけるスマートファクトリーに関する指針

■日本と海外のニーズの違い

スマートファクトリープロジェクトで重要視しているニーズについて、海外と日本では異なるという指摘がある。

海外でのニーズ

海外では「設備稼働情報蓄積による予兆把握」「主要操業指標を全社レベルで集約」などの「操業指標の可視化」「作業/運用効率向上」「関連システム接続による価値の創出」などに対するリクエストが多い。

逆に「改善に役立つ情報を発見」「現場改善策の水平展開」などのニーズは少ないとされている。

日本のニーズ

日本の製造業がスマートファクトリーに期待することとして「特定機器へのセンサー追加による試験的データ収集」「見えていないデータの可視化」などの「現場の改善推進」に対するリクエストが多いとされる。

■サイバーフィジカルシステム(CPS)

サイバーフィジカルシステムとは、現実世界の情報をサイバー空間に送り、最適に処理した情報を現実世界にフィードバックするという「サイクル」を意味している。

→AnalyticsNews →サイバーフィジカルシステム(CPS)とは

サイバーフィジカルシステムとは、現実世界の情報をサイバー空間に送り、最適に処理した情報を現実世界にフィードバックするという「サイクル」を意味している。

スマートファクトリーの理想状態とされる「自律的な最適生産工場」を実現するためには、現実世界とサイバー空間でフィードバックを続けるサイクルにより、さまざまなシステムや機器が最適化され、高度に連携できることが求められている。

■日本の製造業の課題

日本の製造現場で実装が進んでいるのは「見える化」の段階までが多い。

サイバー空間から実世界にフィードバックするプロセスは、技術的/コスト的にも高いハードルがある。

日本の製造業は、このハードルをどのように乗り越えて自律的生産工場を目指すのかという点が大きな課題とされている。

スマートファクトリー事例

■飲料製造工場

全世界350の工場で飲料を製造しているメーカーは、全製造ラインで同一のレシピに従って生産しているにもかかわらず、KPI(重要業績評価指標)にばらつきがあるという課題を抱えていた。

「工場間情報共有」「ダッシュボード開発」「全工場を統一KPIで評価」「工場間の競争意識の醸成」などの施策を進めたところ、生産性が5~8%向上する成果を得られている。

■航空機メーカー「AIRBUS社」

欧州AIRBUSは、航空機製造現場で、IoTを活用し紙マニュアルを使用しない「ペーパーレス」を実現し、製造現場の作業効率向上を実現させた。

IoTデータを活用して作業をトラッキングし、製造実行システム(MES:Manufacturing Execution System)側からiPadを通じて作業指示を出す仕組みを構築した。

これにより、作業員が正しいボルトを使ってねじを締めたのかまでを確認でき、トレーサビリティが担保され、一定水準以上の作業品質を確保できるようになった。

■エンジンメーカー「GE社」

米GE(General Electric)社は、IoTを活用したスマートファクトリーの実現に取り組み、製造プロセス全体を最適化した。

ディーゼルエンジン修理現場で発生する多種多様な課題を解決するため、部門横断的なチームを設置し「現場でのヒアリング」と「各種データ」の可視化を行った。

また、設計~生産~販売~サービスまでのデータを横断的に統合/分析し、得られた知見から製造プロセスを最適化するアプローチを繰り返し、コスト削減と重要満足度向上に実現につなげている。

 

参考元サイト

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