「因子分析」(Factor Analysis)とは多変量解析の手法のひとつであり、多変量データに潜む共通因子を探り出す。因子分析の目的は「因子」を見つけることであり、大量のデータを少数の説明要因にまとめたり、(調査対象者の)回答の奥に潜む要因をまとめたりする場合に用いられる。言い換えると、因子分析とは「ある観測された変数(たとえば質問項目)が、どのような潜在的な因子から影響を受けているか」を探る手法といえる。
因子分析で扱うデータの形式は、主成分分析と基本的には同じである。しかし手法の出発点は全く異なる。
主成分分析では、変数の間の相関関係を用いて、無相関の合成変数を求めることで多くの変数を少ない変数に縮約するが、因子分析は、変数の間の相関関係から共通因子を求めることで、多くの変数を少数個の共通因子にまとめて説明することを目的としている。主成分分析が合成の分析であるのに対し、因子分析は分解の分析であると言える。
因子分析では、観測データにおける変数の間の関連成分をまとめたものを共通因子(common factor)と呼び、他の変数と関係がなくその変数のみ持っている成分を独自因子(unique factor)と呼ぶ。因子分析では、観測データはお互いに関連性を持っており、共通因子と独自因子に分解できることを前提としている。
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