産業用ロボットは「人間の代わりに工場での組み立てなどの作業を行う機械装置」を指す。主に製造工場や食品工場などでの作業自動化のために導入される。
産業用ロボットは特に「3軸以上の自由度があり、プログラムによって自動制御可能なマニピュレーションロボット」のことを指す。プログラム制御により動作し、マニピュレータ(多目的用途に対応できる機械式の腕)で決められた動作を実行することで製造工程などにおける作業をサポートする。
国際標準化機構(ISO)では産業用ロボットについて「3軸以上の自由度を持つ、自動制御かつプログラム可能なマニピュレータ」と定義している。
日本工業規格(JIS)では産業用ロボットについて「2つ以上の軸についてプログラミングによって動作し、ある程度の自律性をもち、環境内で動作して所期の作業を実行する運動機構」と定めている。
経済産業省はロボットについて「センサー、駆動系、知能・制御系の3つの技術要素(ロボットテクノロジー)を有する機械システム」と定義している。
NEDOでは産業用ロボットについて「移動性、個体性、知能性、汎用性、半機械半人間性、自動性、奴隷性の7つの特性を持つ柔らかい機械」などのいくつかの定義がある。
産業用ロボットは主に自動車や電子部品を生産する工場現場などに導入され、以下の用途として利用されている。
・スポット溶接
・ボディ塗装
・部品取り付け
・組み立て
・部品搬送
・パレタイジング など
産業用ロボットを導入することにより「人件費削減」「作業員の負荷軽減」「作業員の安全確保」「品質均一化」などのメリットが得られる。
工場での作業には「重量物運搬中の落下による怪我」「霧散塗料を吸い込んでしまう危険性」「高温環境下における熱中症発生リスク」など、作業員に多くの「肉体的負荷」「精神的負荷」「危険」が伴う作業がある。
産業用ロボットを導入して人間の作業を代替させることで、作業員に対する危険性や負荷を大幅に下げることができる。
人間による作業の場合、「作業員の個々のスキル差」や「作業ミス発生」などにより、製品の品質にバラつきが生じてしまう。
産業用ロボットは決められた動作を正確に繰り返すことができるため、規定に即した品質を安定的に維持できるメリットがある。
産業用ロボットのマニピュレータ(アーム)は、人間の動作と比較すると単純な動作しか行えないが、複数の産業用ロボットを組み合わせることで人間の動作を上回る生産ラインを構築できる。
作業員が実施していた作業を産業用ロボット群に置き換えることで、生産ライン単位での人件費削減効果を得られる。
人間の作業員はロボットのオペレーションやメンテナンスのみ担当すればよくなる。余剰人員リソースを作業効率化研究などに振り分けることで工場の生産性をさらに高めるなど、利益を増加させるための施策を実施できる。
特に人件費が高い先進国では、工場全体をロボット化する「ファクトリーオートメーション」が進められている。
産業用ロボットには「組み込まれている軸の数」「モーター」「取り付け可能なアーム」などによってさまざまな種類が存在している。
・垂直多関節ロボット---「搬送」「溶接」「塗装」「組立」など幅広い工程に対応
・水平多関節ロボット---「部品押し込み作業」「ピック&プレース作業」
・パラレルリンクロボット---「ピック&プレース作業」「プレス加工」
・直交ロボット---誤作動が起こりにくい、低出力、省エネ
参考元サイト
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クラウド型物流プラットフォームの提供を行うGROUND株式会社は、株式会社ニトリホールディングスの物流施設向けに、2017年秋までに約80台のロボットシステムを納入する。業務の効率化、省人化を図るのが目的で、アマゾンなど海外勢が先行する物流ロボット事例に次ぐ国内事例として注目を集める。 国内でも物流ロボット事例が活発化。
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