2017年07月24日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一
ソフトバンクロボティクス社の人型ロボット「Pepper」と、日本IBMが提供する人工知能ベースのコグニティブコンピュータ「IBM Watson(J)(ワトソン)」を連携させたビジネス活用が始まっている。
Pepperはもともと家庭用ロボットとして開発されたが、2015年に開始した法人向けモデル「01Pepper for Biz」の販売を機にビジネスでの利用が進んでいる。
Pepperはワトソンと連携することで、より自然な形でのコミュニケーションを実現する。
これまでPepper単体でも質問を認識したり、回答する機能は存在したが、高度なレベルの会話対応は難しいとされた。一方、人工知能テクノロジーを活用したワトソンは、自然言語を認識し、会話品質と回答品質の精度が高い。顧客の質問に対して適切な回答を行う確率も高いので、より実践的と言える。
Pepperとワトソンが連携した“おもてなしロボット"、すなわちカスタマーサポートのソリューションを紹介する。
スマートデバイス向けアプリなどを手掛けるエクスウェア株式会社では、pepperのロボット機能とワトソンの人工知能機能を活用した自動応答サービス「TalkQA for Pepper」を提供している。
このソリューションでは、来訪者がpepperに質問をすると、ワトソンのAPIである「NLC」(Natural Languagge Classifier、自然言語分類)によって質問の内容を認識し、Pepperの声や搭載しているタブレット端末を通して回答を表示する。
さらにPepper向けプレゼンテーションアプリ「ペップレ」を組み合わせて利用することで、スライドや映像、音声を使ったプレゼンテーションを行うことも可能。
利用シーンとしては、たとえば店舗や商業施設などにやってきた顧客が「Pepper」に自然な言葉で話しかけると、施設の案内やサービスの説明を受けられるといったような使い方や、展示会、企業内研修などでも活用が期待されている。
レンタル料金は、1台当たり月額55,000円から。
以上、下記URLからの要約
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1703/03/news015.html
https://www.talkqa.com/talkqa_for_pepper/
ソフトブレーン株式会社が独自開発した「eレセプションマネージャー for Guide」は、Pepperが来店や来社した顧客の受付をしたり、質問に回答して案内や接客を行う接客ソリューションサービス。ワトソンが導入されていることで、従来より高度な応対が期待できる。
顧客の質問は、Pepperが瞬時にネットワークを通じてワトソンと通信、Watsonの機能のひとつであるSTT(Speech to Text : 音声認識機能)で会話の内容をテキストデータに変換し、別の機能であるNLC(Natural Language Classifier : 自然言語分類)によって認識してIBM Watsonが最適な回答を抽出する。抽出した回答はPepperに送信され、Pepperが顧客に対して音声やタブレットの画面を通じて情報を案内する。
企業としてはAI関連技術を使った質問対応システムを比較的廉価でPepperに導入することができるというメリットもある。
IBM Watsonを使ったシステムを自社で開発して導入したい企業は多くあるが、中小企業にとってWatson連携のシステム開発費用は決して安くない。比較的廉価なソリューションパッケージを利用することで、ワトソンを受付や質問対応に導入したい企業にコストの壁を低くすることができる。
企業側の判断としては人件費等と比較したり、顧客満足度を想定した上で、ロボット導入によってコスト軽減が見込めるかどうかがポイントとなる。
レンタル料金は、月額55,000円から。
以上、下記URLからの要約
https://robotstart.info/2016/11/08/pep-wat-eres.html
http://www.e-sales.jp/erm/for_guide.html
1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。
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