CLOSE UP コラム | 人工知能を活用したチャットボット関連サービスの紹介。

人工知能を活用したチャットボット関連サービスの紹介。

CLOSEUP コラム

2017年07月24日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

2016年4月にリリースされたFacebook MessangerのAPIが公開されたことをきっかけに勃興した人工知能を活用したチャットボット(chatbot/chatterbot:自動応答)サービスが、厚みを増している。

人工知能を活用した高度な会話を実現するサービスであるチャットボットサービスの用途は、多岐にわたる。とくにカスタマーサポートをはじめとしたビジネスに活用できるチャットボットサービスやソリューションは、その用途によって、「チャットボット完結型」、「チャットボットと有人切り替えのハイブリッド型」、「チャットボットから有人リソースまで提供のワンストップ型」に分かれる。それら種類を踏まえて、下記に、代表的な人工知能を活用したチャットボットサービスを紹介する。

人工知能エンジンですべてを自動化する「サポートチャットボット」

株式会社ユーザーローカルが提供するカスタマーサポート業務を自動化するためのサービスが「サポートチャットボット」である。

人工知能を活用し、コールセンターのカスタマーサポート、企業の社内ヘルプデスク業務に特化したチャットボット構築・運用サービスであり、文字チャットによる会話対応をプログラムが自動で行う。

サービス名:サポートチャットボット(旧:人工知能チャットボット)
サービスの種類:チャットボット完結型
運営会社:ユーザーローカル株式会社
対応プラットフォーム:ブラウザ、LINE、Facebook、Twitter

http://ai.userlocal.jp/

プログラミング不要のチャットボットAPI「Repl-AI」(レプルエーアイ)

インターメディアプラニング(IPI)がNTTドコモと共同開発した「Repl-AI」(レプルエーアイ)は、プログラミングの知識なしで、チャットボットを自由に作成することができる ボットAPI作成プラットフォームである。

Repl AIは、ダイアグラム形式でチャットボットを作成できるためプログラミングの知識が不要となる。どういった発言に対してどういった返答を返すか、という設定をさまざまなパターンを想定して作成することで、複雑な会話が可能なチャットボットを作成していく。

Repl AIは、人工知能やFAQを用いて自動応答で対応するチャットボット完結型であり、サービスというよりは単独のツールやエンジンとしての機能が主となる。自社のシステムやオペレーションに沿ったチャットボットを導入したい場合には適している。

サービス名:Repl-AI(レプルエーアイ)
サービスの種類:チャットボット完結型
運営会社:インターメディアプランニング株式会社(IPI)(NTTドコモと共同開発)
対応プラットフォーム:ブラウザ、アプリ、LINE、Facebook

https://repl-ai.jp/

ハイブリッド型チャットボットサービス「conciergeu」(コンシェルジュ)

株式会社コンシェルジュが提供する「conciergeu」(コンシェルジュ)は、チャットボットによる自動応答だけではなく、有人対応への切り替えが可能なハイブリッド型。

人工知能を活用したチャットボットでも、すべての問い合わせに回答することは難しい。仮にチャットボットの精度を上げようとすると、辞書やシナリオ等の事前ルールを膨大に用意する必要があるからだ。

実際に運用にあたっては、ふたつの考え方がある。「チャットボットが回答できる範囲を狭めて運用する」、もしくは「チャットボットと有人対応のハイブリッド型にして、すべての問い合わせには答える」という選択肢だ。

そのような人工知能の課題を踏まえたconciergeuは、チャットボットによる自動応答とともに有人対応への切り替えも可能なハイブリッド型のサービスもあわせて提供している。

サービス名:ConciergeU
サービスの種類:チャットボットと有人切り替えのハイブリッド型
運営会社:株式会社コンシェルジュ
対応プラットフォーム:ブラウザ、アプリ、LINE、Facebook

https://www.conciergeu.com/

チャットボットと有人対応によるワンストップソリューション「hitobo (ヒトボ) 」

アディッシュ株式会社が提供する「hitobo 」(ヒトボ)は、人工知能を活用したチャットボットによる自動応答だけではなく、人間を加えた“合同チーム"で、顧客からの「すべての問い合わせに答える」ワンストップでのカスタマーサポートを実現する。

同社ではチャットボットを自社開発。加えて同社の1000社を越えるカスタマーサービスの実績を生かし、チャットボットに有人オペレーションを連携させたソリューションや、チャットボットに有人対応のカスタマーサポート委託を加えたサービスも展開している。

サービス名:hitobo (ヒトボ)
サービスの種類:チャットボットから有人リソースまで提供のワンストップ型
運営会社:アディッシュ株式会社
対応プラットフォーム:ブラウザ、LINE、Facebook

https://hitobo.io/service/


著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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