機械学習では「人間がデータにモデルを当てはめる」という決定論的なビジネスルールにもとづいてハードコーディングされた分析システム構築が行われてきた。
一方、ディープラーニングは、「継続的改善により情報パターン変化に適時対応可能」なダイナミック性により、一般化と適応が良好に行われ、柔軟性の高いデータをアナリティクスに取り込むことが可能になった。
機械学習では扱いづらい複雑なデータ(言葉で特徴を定義するのが難しい場合)であっても、ディープラーニングの場合、大量のデータさえあれば処理を行え、新しいデータに合わせた継続的な改善も可能である。
ディープラーニングはトレーニングに時間がかかる。
しかし、トータルのデータ分析フローで考えると、データ準備段階で膨大な時間を必要とする機械学習よりも、「圧倒的パフォーマンス向上」と「時間節約」となる。
ディープラーニングのモデルは極めて高い精度を誇り、人間の認識精度を超えることもある。
高い認識精度を活用して、人間が行っていた業務の一部をAIに置き換えるなどの業務効率化が可能になってきている。
特に安全性が最優先されるべき自動運転車のような分野では、高い認識精度は非常に重要な要素と言える。
従来のモデリング手法(機械学習)は人間が理解できるものであり、その予測手法やビジネスルールについて説明は可能である。
一方、ディープラーニングは、どのようなルールにより結果が出ているのかについて人間が理解するのは困難であるため「ブラックボックス的アプローチ」と位置付けられている。
正しく機能しているかを確認するためには、新しいデータを対象にしたテストで証明するしかない。
機械学習では、学習方向性について、人間がある程度コントロールできる。
一方、ディープラーニングは、人間がまったく予測していない方向へ学習が進む可能性がある。どのようなデータを読み込ませるかについて、慎重に選択しなければならない場合もある。最適なデータを選択することで、より効率的な学習を期待できる。
「ディープラーニングでビジネスチャンスをつかむために必要なことは何か?」について、日本ディープラーニング協会理事長である東京大学の松尾豊特任准教授は、「やったもの勝ちだ」「必要なのは行動するための知識」であると提言する。 【解説テーマ】 ・薄く広くでは負けてしまう ・やったもの勝ち!高校生もできる
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