ディープラーニングには、複数のアルゴリズムを利用できる。
それぞれのアルゴリズムに特徴があり、得意分野が異なるため、どのアルゴリズムが適切なのか検討する必要がある。
ディープラーニングで使用される多くのアルゴリズムには、「ニューラルネットワーク」構造が使われている。そのため、ディープラーニングのモデルは「ディープニューラルネットワーク」とも呼ばれる。
「ニューラルネットワーク」は、ディープラーニングのベースとなる代表的アルゴリズムである。
「ニューラルネットワーク(NN:Neural Network)」は、ニューロン(神経細胞)ネットワークで構成されている人間の脳神経回路を模倣することでパターン認識を行い、データを分類するアプローチ手法である。
ニューラルネットワークを多層化することで、データに含まれる特徴について、段階的に学習を行える。
ニューラルネットワークは、機械学習用計算アルゴリズムとして、1940年代から存在している。
1990年代後半にブームとなったが、大規模トレーニングデータを確保できず、実用に耐えられる精度を実現するのが難しかったため、下火となった。
その後の第3次人工知能ブームで、ディープラーニングが注目されることにより、ニューラルネットワークも改めて注目されるようになった。
AI学習に欠かせないトレーニングデータを容易に確保しやすくなったという要因がある。
オープンデータ化の風潮もあり、「IoT」「ストリーミングデータ」「ソーシャルメディアデータ」「公的ビッグデータ」などの各種データを入手しやすくなっている。
AI学習には膨大なコンピュータパワーが必要となるが、「分散クラウドコンピューティング」と「GPU(Graphics Processing Unit)」技術などの成長により、十分なコンピュータリソースを比較的安価に利用できるようになった。
「ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)」とは、「ニューラルネットワーク」アルゴリズムを多層構造化したものである。「ディープ」は「多層化」を意味している。
「ニューラルネットワーク」は2〜3層程度で構成されているが、「ディープニューラルネットワーク」では、150層以上に達している。
「ディープニューラルネットワーク」は、より多くの多層構造を持つことによって、「ニューラルネットワーク」よりも遥かに高い精度での学習/推論が可能になっている。
「畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)」とは、「ディープニューラルネットワーク」を2次元データに対応させたもので、局所的な情報の抽象化及び位置普遍性をもたせた順伝播型ニューラルネットワークを利用したアルゴリズムである。
近年において、深層であることを強調するため、「深層畳み込みニューラルネットワーク」と呼ばれることもある。
画像処理において、高いパターン認識能力を発揮する。手作業での特徴抽出は必要なく、画像から自動的に直接特徴抽出を行い、1つの画像に含まれる数々の特徴を学習できる。
「再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)」とは、音声/動画データのような可変長データを扱えるようにするために中間層に再帰的な構造をもたせた双方向に信号が伝播するニューラルネットワークを利用したアルゴリズムである。
「動画認識」「音声認識」「自然言語処理」など、入力データの順序によって出力が変わるデータの処理を得意とする。
他にも多くのアルゴリズムが存在する。
・Auto Encoder
・Denoising AutoEncoder
・Convolutional AutoEncoder
・R-CNN
・Faster-RCNN など
「ディープラーニングでビジネスチャンスをつかむために必要なことは何か?」について、日本ディープラーニング協会理事長である東京大学の松尾豊特任准教授は、「やったもの勝ちだ」「必要なのは行動するための知識」であると提言する。 【解説テーマ】 ・薄く広くでは負けてしまう ・やったもの勝ち!高校生もできる
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