CLOSE UP コラム | 公正取引委員会、ビッグデータの囲い込み・不当収集事例に対し、独禁法適用。

公正取引委員会、ビッグデータの囲い込み・不当収集事例に対し、独禁法適用。

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2017年07月24日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

公正取引委員会は、個人や産業活動が生み出す膨大な情報「ビッグデータ」について、企業がデータを囲い込んだり、消費者や取引先から不当に収集したりした事例に対してに、独占禁止法を適用する考えを公表した。企業にとってデータの集積や活用の重要性が増す中、競争がなくなり消費者が不利益を受けないようにするのが狙い。

大企業が中小企業に顧客ビッグデータの提供を求めるような事例に対して警鐘。

公取委は、有識者会合でビッグデータと競争政策の在り方を検討。2017年6月6日に公表した報告書では、米会員制交流サイト(SNS)のフェイスブックや米検索大手グーグルなどを念頭に「ビッグデータが一部の事業者に集中しつつある」と指摘した上で「消費者の利益が損なわれる恐れがある事例に対しては、独禁法による迅速な対応が必要」とした。

独禁法が適用されるケースとして企業が競争関係にある事業者を排除する目的でデータを開示しない事例を挙げた。例えば企業が自社製品の保守点検に必要なビッグデータを囲い込み新規参入を拒むことが想定される。

またデータの収集については、大企業が弱い立場にある取引先の中小企業に、一方的に顧客ビッグデータなどを提供するよう求めたり、SNSなどが法令上不適当なやり方で個人情報を集めたりすることが該当するとした。海外では、ドイツ連邦カルテル庁がフェイスブックに対し、情報収集の手法を問題視して調査に入った事例がある。

企業が合併する事例に対しては、ビッグデータ市場で独占が生じないかを注視するとした。自動運転の開発が本格化すれば、自動車大手が検索関連のIT企業を買収するケースも想定しうる。SNSのような無料のサービスでも独禁法の検討対象とする。

以上、下記URLからの要約
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201706/CK2017060702000128.html


著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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