CLOSE UP コラム | 富士通研究所、マルウェア検知AI技術を開発---ディープラーニングを活用、検知精度が76%から93%に向上

富士通研究所、マルウェア検知AI技術を開発---ディープラーニングを活用、検知精度が76%から93%に向上

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2017年09月21日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

富士通研究所は、9月19日、「組織ネットワーク侵入マルウェア検知を高精度化する人工知能(AI)技術」を開発したと発表した。

マルウェア検知AI技術

この新技術は、富士通研究所が開発したグラフ構造データ学習/分類技術「Deep Tensor」をベースにして、時系列の特徴を学習できるように拡張して開発された。

「Deep Tensor」は、グラフ構造データから数学表現「テンソル」への変換方法学習と、ディープラーニング学習を同時に行うことで、グラフ構造データを高い精度で学習する。

新技術では、テンソル表現を複数用意することにより、ログ上の異なる時間の特徴を学習する。さらに、テンソル表現間の関係についても、ディープラーニングで学習することにより、時系列ログデータ内の関係性の高い特徴群を抽出し、マルウェア判別が可能になるという。

試験結果 検知精度が76%から93%に向上

情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会「MWS2017」が提供している研究用データセットを利用して、日常業務のネットワーク通信とマルウェア攻撃を判別する試験を実施した。

その結果、マシンラーニング技術「Support Vector Machine」を用いたケースでは検知精度が76%だったのに対し、新技術では93%に向上することを確認した。

今後の予定

2017年度中にサイバーセキュリティ以外の分野で製品化を目指し、2018年度からサイバー攻撃対策としての実証を同社内で進める予定としている。

以上、下記URLからの要約
https://japan.zdnet.com/article/35107449/


著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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