2015年12月21日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一
大量のテキストデータから「隠れた」情報や特長や傾向、相関関係を発掘するテキストマイニングの手法を製品開発に役立てた、大手化粧品メーカーD社様の事例をご紹介します。
D社様は、群雄割拠する化粧品業界において、消費者の声を反映させた製品づくりに注目していました。しかしアンケート調査では、消費者の生の声を製品開発にフィードバックすることができませんでした。
アンケート調査は、企業側が知りたい内容を質問項目に立てることで必要な情報を得る仕組みです。D社様の場合は、アンケート項目のなかに自由記述の項目をもうけているにもかかわらず知見となる情報はわずかであり、ほとんどが「記述なし」という回答結果しか得られなかったからです。
高額な調査費用を費やしてもアンケート結果が製品に反映されることは少なく、結果的に、担当者の主観に基づいた製品づくりに逆戻りするというジレンマに陥っていました。
D社様マーケティング部門では、発想の転換を行いました。すなわち「Web上でつぶやかれる化粧品のクチコミを製品開発に生かす」という戦略です。
ツイッターなどのSNSや化粧品クチコミサイトでのつぶやきは必ずしも企業側が知りたい情報とは合致しませんが、そこには消費者の生の声があふれています。
たとえ玉石混交の本音であっても、そこに「正しい分析」を加えることで製品開発にフィードバックできる――D社様は、そのような戦略に基いて方向転換を決定したのでした。
KSKアナリティクスでは、Webの化粧品クチコミサイトおよびSNSの「正しい分析」のために、テキストマイニングという手法をご提案しました。
ビッグデータ分析の手法には、大量のデータから知見を取り出すデータマイニング手法に対して、定型化されていないテキストデータを単語に分割し、それらの出現頻度や相関関係を分析して有用な情報を抽出するテキストマイニングという手法があります。
アンケート調査のサンブル数を増やすことによって定量的な分析するにはコストが膨大に膨れ上がりますが、テキストマイニングでは、アンケート調査より優れたコストパフォーマンスでの分析が可能です。また、単純な単語の相関関係だけでなく、そこに意味を見い出し、文意を正確に定量化することも可能です。
一般的にテキストマイニングの目的は次のようなものになります。
●短い言葉で対象製品の傾向や特長を表現したい
●該当ワードの出現頻度や同時出現関係を分析したい
●企業が想定できない斬新な提案を発見したい
●トレンドを知りたい
1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。
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