CLOSE UP コラム | クチコミのテキストマイニングで製品開発を支援~大手化粧品メーカーD社様(後編)

クチコミのテキストマイニングで製品開発を支援~大手化粧品メーカーD社様(後編)

CLOSE UP 事例

2016年01月11日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

WebのクチコミサイトやSNSを、テキストマイニングで分析

大量のテキストデータから「隠れた」情報や特長や傾向、相関関係を発掘するテキストマイニングの手法を製品開発に役立てた、大手化粧品メーカーD社様の事例をご紹介します。

消費者の声を反映させた製品づくりに注力していたD社様では、それまで結果の出なかったアンケート調査から、「Web上でつぶやかれる化粧品のクチコミを製品開発に生かす」という戦略の転換を行いました。

KSKアナリティクスでは、Webの化粧品クチコミサイトおよびSNSの「正しい分析」のために、テキストマイニングという手法をご提案しました。テキストマイニングは、定型化されていないテキストデータを単語やフレーズに分割し、それらの出現頻度や相関関係を分析して有用な情報を抽出する手法です。

KSKアナリティクスがテキストマイニングを行った手順は、次のようなものです。

NYSOL(ニソル)を活用しWeb上のクチコミを表記の違いを統一し、形態素解析で文章を単語に分解します。その後、RapidMinerを活用しクラスター分析、決定木分析などを行います。

テキストマイニングによって、潜在的ニーズを抽出。

KSKアナリティクスが行ったテキストマイニングによって、D社様は、次のようなメリットを享受することができました。

●アンケート調査の継続的で高額な費用が不要になった。
●アンケート調査からは得られない潜在的なニーズを抽出できた。
●ターゲットの兆候、すでにでている製品の評判を正確に把握することができた。

これによって、リップを新発売する際に、テキストマイニングの知見を元にした新色の提案などが行われるようになりました。より、消費者の声をダイレクトに反映した製品開発をすすめることができるようになったのです。

この結果を受けたD社様では、今後、製品開発以外にもビッグデータを積極的に活用していく方針です。たとえば、クレーム分析を行ってその要因を突きとめて改善を行ったり、製品の使い方に関する問い合わせをナレッジ化するなど、ビッグデータ分析は企業内のさまざまな業務に広がっています。 

【ケーススタディまとめ】
―ウェブから消費者の声を収集し分析することで、費用が抑えられ継続的な運用が可能になった。
―アンケートからは得られない潜在的な製品ニーズを抽出できた。
―分析結果から消費者のニーズを把握し、製品開発の参考にできた(30~34歳女性は深い赤系の口紅が好評etc)。


著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

最新TOPICS

【IoTで空港を快適に】スイスのジュネーブ空港「乗客が行列に並ぶ時間を半減」「業績を前年度の5倍以上にアップ」に成功---BluetoothとWi-Fiセンサーを活用(2016年06月21日 10:03)

スイス国内で2番目に利用者数の多いジュネーブ空港は、 「乗客が行列に並ぶ時間を半減」「業績を前年度の5倍以上にアップ」に成功している。 【改善方法】 ・施設内でBluetoothとWi-Fiセンサーを活用 ・乗客のリアルタイム計測/高度データ分析 ・空港スタッフ数の最適化 ・セキュリティチェックの可視化 ・Wi-Fiセンサーは空港内各所に設置  →行列に並んでいる人数/待ち時間...

最新CLOSEUPコラム

関連タグ

バックナンバー

関連記事

無料資料プレゼント

2021/03/04 セキュリティDAYS Keyspider資料

講演資料を見るには、 プライバシーポリシーに同意して、送付先メールアドレスをご入力しご請求ください。

またご入力いただきました情報は、当該資料の作成・提供企業とも共有させていただき、当社及び各社のサービス、製品、セミナー、イベントなどのご案内に使用させていただきます。

本資料を見るには次の画面でアンケートに回答していただく必要があります。



セミナー講演資料公開中

文書を作る過程における情報(Slack/Teamsでのコメントなど)をどう管理、共有するべきか? ~新しい文書情報管理の考え方~

【Microsoft365ユーザー向け】クラウドメールサービスの保護に向いていない、ゲートウェイ方式メールセキュリティの課題 ~API連携・AI技術により、セキュリティ強化と運用効率化を実現~

SMS認証の代替手段、より高セキュアな“電話発信認証サービスTELEO”とは? ~スマホによる多要素認証の比較と、SMS認証のリスク~

  • 書籍

Analytics News ACCESS RANKING

facebook

twitter