CLOSE UP コラム | IoTの課題(1)

IoTの課題(1)

CLOSE UP 事例

2016年10月31日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

IoTの急速な台頭でさまざまな恩恵が期待されている一方、データ量が爆発的に増大しネットワーク上で相互接続されるデバイスの数が劇的に増加したことで、IoTネットワークの開発はますます複雑化し、相互運用やセキュリティに多くの課題が見受けられる。

今回は、IoTの相互運用やセキュリティでの課題を考察する。

IoTの課題1―相互運用性

ネットワークのサービスプロバイダは通常、複数のサプライヤから機器を採用している。これは、各サプライヤが特定のネットワーク機能向けに提供している専用機能を利用するためだけでなく、費用対効果のためでもある。

相互運用性が実現すれば、複数のメーカーから提供されるIoT機器が相互に通信を行うことにより、統一されたユーザーエクスペリエンスを提供できるようになるだろう。機器メーカーやアプリケーション開発メーカーは、共通の参照基準(リファレンス・スタンダード)に従ってIoTネットワーク向けソリューションを構築する必要がある。

しかし現在のところ、複数の業界をまたいでIoTの発展に取り組むようなリーダー企業によるコンソーシアムは、ごくわずかしかない。

こうしたコンソーシアムの1つである「Open Interconnect Consortium(OIC)」では最近、オープンソースソフトウェアフレームワークである「IoTivity」が、IoT標準規格のリファレンス実装を発表した。この標準規格の目的は、コネクテッドデバイスやアプリケーションなどの開発メーカーを一元化することにある。

この他にもIoT関連のコンソーシアムとしては、「AllSeen Alliance」などが挙げられる。

IoTの課題2―セキュリティ

サービスプロバイダにとって、IoT参入の障壁となり得る要素のひとつが、セキュリティである。正規ユーザーによるサービスへのアクセスを妨害する攻撃を最小限にするには、サービスプロバイダは顧客の機器、データ、ネットワークに対するアクセスコントロール対策を実施しなくてはならない。

あちこちでネットワークを使用している正規ユーザーを攻撃者から守るには、強力なデータの暗号化と認証が必要になってきている。

顧客の機器は、サービスプロバイダのネットワークへの“入り口"になることが多い。サービスプロバイダは、あらゆる機器向けにセキュリティツールや技術を導入できるようにする必要があるだろう。

http://eetimes.jp/ee/articles/1506/22/news069.html


著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

最新TOPICS

【講演資料を公開】7/28【サービス事業者向け】中小企業が狙われた、サプライチェーン攻撃の手口を解説 ~サイバー攻撃の被害に遭う中小企業の3つの共通点と、その対策~(2022年08月27日 09:15)

2022-07-28(木)15:00 - 16:00 「【サービス事業者向け】中小企業が狙われた、サプライチェーン攻撃の手口を解説 ~サイバー攻撃の被害に遭う中小企業の3つの共通点と、その対策~」 と題したウェビナーが開催されました。 皆様のご参加、誠にありがとうございました。 当日の資料は以下から無料でご覧いただけます。 ご興味のある企業さま、ぜひご覧ください。

関連タグ

デシル分析(Decile Analytics)

  • 用語集

「デシル分析(Decile Analytics)」とは、購買履歴データをもとに全顧客の購入金額を高い順に10等分し、各ランクの購入比率や売上高構成比などの有益な情報を得るための分析手法。

スマートシティ(Smart City)

  • 用語集

スマートシティとは、「ICTやIoTなどの先端技術を用いて、基礎インフラと生活インフラサービスを効率的に管理/運営し、環境に配慮しながら人々の生活の質を高め、継続的な経済発展を目的とした新しい都市」を指す。街全体の電力エネルギーの有効利用を図り、生活インフラなどを無駄なく効率的に管理できるもので、省資源化を徹底した環境配慮型都市もしくは地域を目指す。

RFM分析()

  • 用語集

「RFM分析」とは、Recency、Frequency、Monetaryという3つの指標で顧客を並べ替え、グループ化した顧客の性質を明らかにする顧客分析の手法のひとつ。

重回帰分析()

  • 用語集

多変量解析のひとつであり、あるデータをほかの複数のデータによって予測する分析手法である。

バックナンバー

関連記事

無料資料プレゼント

2021/03/04 セキュリティDAYS Keyspider資料

講演資料を見るには、 プライバシーポリシーに同意して、送付先メールアドレスをご入力しご請求ください。

またご入力いただきました情報は、当該資料の作成・提供企業とも共有させていただき、当社及び各社のサービス、製品、セミナー、イベントなどのご案内に使用させていただきます。

本資料を見るには次の画面でアンケートに回答していただく必要があります。



セミナー講演資料公開中

【企業ネットワーク向け】ローカルブレイクアウト、適用できないSaaSはありませんか?通信速度や運用に課題はありませんか? 〜LBOに最適なネットワーク機器や管理ツールによる解決策をご提案〜

ハイブリッドワークにおける電話の新しいカタチ ~セールスプロセスを最適化する次世代クラウドビジネスフォン~

【再放送】システム責任者が知っておくべき 「MySQLの高可用性/HA構成」 の選択肢と比較 〜 MySQLデータベースのダウンタイム“ゼロ”を目指す〜

  • 書籍

Analytics News ACCESS RANKING

facebook

twitter