2017年02月20日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一
人工知能の開発には、どのようなプログラミング言語が適しているのだろうか。
人工知能の処理では、統計学や数学を多用することになる。統計学や数学に精通しているのではない限り、開発途中で、ライブラリを活用する可能性がかなりの頻度で出てくるだろう。ライブラリが充実しているプログラミング言語としては、R言語 と Pythonがある。
R言語は、オープンソースの、データ分析やデータ処理に特化したプログラミング言語である。システム開発を目的にした一般的なプログラムミング言語とは異なり、開発環境が付帯しており、統計解析処理やその結果もグラフィカルに表示できる。
R言語は、人工知能開発に限らず、教育機関や研究機関など本格的な統計分析を行う際によく用いられるメジャーなプログラミング言語であり、統計分析に特化しているため、統計分析用にロジックを書く必要がなく、その点で敷居が低い。
またオープンソースのため、誰でも無料で手に入れることができ、機能を追加するためのパッケージも充実しているのも大きな特長となる。CRAN(The Comprehensive R Archive Network)というレポジトリには、さまざまなパッケージが追加されており、人工知能開発を含めた最新の統計分析環境を容易に手に入れることができる。たとえば、Perl、Python、Rubyなど他のプログラミング言語で実装する前に、統計分析の基本モデルを作ったりする場合でよく使われる。
Python(パイソン)は、コードがシンプルで扱いやすく設計されており、C言語などに比べると少ないコード行数でプログラミングできるという特長がある。
また、汎用言語と呼ばれるさまざまなアプリケーションを作るのに適したプログラミング言語でもある。人工知能開発などで統計分析用に書いたプログラミングコードは、自作ライブラリとして製品に組み込むことも可能。またPythonは、ディープラーニングを含めた人工知能のライブラリが充実しているのも特長。
ふたつのプログラミング言語を比較すると、R言語 は本格的な統計分析を開発したい場合、もしくは統計分析をプログラミングで処理しなければならない場合、Python はWEBサービスなどのアプリに人工知能を利用したいという場合という使い分けが考えられる。
下記サイトからの要約。
http://www.amelt.net/imc/programming/mr/4455/
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14148833434
1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。
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