2016年04月11日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一
2015年にITコンサルティングのIDCジャパンが、2016年にシンクタンクのMM総研が実施したIoTの国内市場規模調査レポートを紹介する。
2015年1月にIDC Japanが発表した国内IoT市場予測によると、2014年の国内IoT市場におけるIoTデバイスの普及台数は5億5,700万台、売上規模は9兆3,645億円だったとみており、2019年には同市場のIoTデバイスの普及台数は9億5,600万台、売上規模は16兆4,221億円に達すると予測している。
この調査では、国内IoT市場を「1.インテリジェントシステム/エッジデバイス(以下IoTデバイス)」「2.通信モジュール、通信回線、通信機器」「3.IoTプラットフォームソフトウェア」「4.アナリティクスソフトウェア」「5.IoTインフラストラクチャ」「6.垂直市場ソリューション/専門サービス」「7.セキュリティサービス」という7つのテクノロジー要素に分類。
このテクノロジー要素別にみた場合、IoTデバイスの額は予測期間前半においてIoT市場全体の8割~9割を占めることが判明した。
全体的なトレンドとしては、予測期間後半においてはIoTデバイスのコモディティ化が進むことでIoT市場全体に占める割合も7割台に下落、それを補完する形で、他の技術要素がじりじりとその売上割合を増やしていくという予測も行っている。
https://www.idcjapan.co.jp/Report/IoT/j15040101.html
一方、2016年1月にシンクタンクのMM総研が発表した国内のIoT市場に関する調査結果によると、2014年度の市場規模は1733億円。15年度には前年比69.1%増の2930億円にまで急増すると予測した。IoT市場はその後も急拡大を続け、2014年度から19年度にかけての年間平均成長率を32.8%と分析。19年度には7159億円に達すると予測した。
また、2015年11月時点における業種別IoTの導入企業に関する調査では、全業種においてIoTを導入している企業は10.9%であり、業種別にみると「製造業」が33.0%と最多であり、次いで「サービス業」(13.4%)、「情報通信業」(12.2%)であった。
製造業が最も多い理由として、同社は生産効率の向上や製品の品質向上など、製造現場で取り組んできた改善活動がIoTを受け入れる下地になっていると指摘している。
一方、IoTを導入している、または導入を検討している企業の課題についても調査。それによると「情報漏洩やサイバー攻撃の不安」がトップで33.1%を占めた。次いで「システム構築・運用コストの削減」が2位で26.6%、「システム構築・運用業務の効率化」が3位で25.4%だった。
MM総研では、IoTを導入する企業は自社の生産設備や機械、施設、製品をネットワークに接続することで重要なデータの流出や外部からのサイバー攻撃の可能性を懸念している、と分析。今後の課題解決の取り組みとして、ネットワークセキュリティの強化やシステム全体のセキュリティ対策を検討している企業が多いという。
http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120160120500
1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。
2022-07-28(木)15:00 - 16:00 「【サービス事業者向け】中小企業が狙われた、サプライチェーン攻撃の手口を解説 ~サイバー攻撃の被害に遭う中小企業の3つの共通点と、その対策~」 と題したウェビナーが開催されました。 皆様のご参加、誠にありがとうございました。 当日の資料は以下から無料でご覧いただけます。 ご興味のある企業さま、ぜひご覧ください。
「主成分分析」とは、ビッグデータをはじめとした多変量データを統合し新たな総合指標を作り出し、多くの変数にウェイトをつけて少数の合成変数を作る統計手法である。ビッグデータ分析の現場などにおいて、多変量の情報をできるだけ損なわずに低次元空間に縮約する。多変量データを二次元や三次元データに縮約することで、データ全体の視覚化が可能となり、データのもつ情報を解釈しやすくなる。
Analytics News ACCESS RANKING