CLOSE UP コラム | 福岡市消防局が発信した「消防情報メール」ビッグデータ分析---発生状況の可視化、防災行政や街づくりへの活用へ

福岡市消防局が発信した「消防情報メール」ビッグデータ分析---発生状況の可視化、防災行政や街づくりへの活用へ

CLOSE UP 事例

2017年11月02日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

西日本新聞とカホエンタープライズは、福岡市消防局が発信した「消防情報メール」の分析を行った。

消防情報メール分析

福岡市消防局は、メールアドレスを登録した住民に対して、「建物火災/救助などの出動内容」「時刻」「目標地点住所」などの情報を配信している。

2014年11月~2017年6月の期間で、福岡市消防局が発信した「消防情報メール」の約1万4300件について、ビッグデータ分析ツールを利用して分析を行った。

分析結果

地図に落とし込むと、出動や発生の多い地点ほど円が大きく表示される。

「救助」では、東区の奈多漁港が5件と多く、「死亡事故や事故になるケースがある」とし、市は今年夏に立ち入り禁止のフェンスを拡張した。

「建物火災」では、中央区天神付近が多いことが分かる。市消防局は「大火に至った例はないが、飲食店が多い商業施設や街区で、活動人口も多いことが要因ではないか」とみる。

防災行政や街づくりへの活用

消防庁は、出動記録に気象状況も含めて複合的に分析し、住民の出動依頼を予測する研究を始めている。

国立情報学研究所の北本朝展准教授(情報学)は、「データの可視化や検証は運用効率化につながる。複数都市で比較すれば、台風や大雪など自然災害に対する脆弱性を分析し、街づくりに生かせる可能性もある」としている。

今後の防災行政や街づくりへの活用が期待される。

以上、下記URLからの要約
https://www.nishinippon.co.jp/feature/attention/article/369987/


著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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