CLOSE UP コラム | 人工知能 ワトソン導入事例

人工知能 ワトソン導入事例

CLOSE UP 事例

2016年09月26日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

日本IBMとソフトバンクが提供する人工知能「IBM ワトソン(日本語版)」の具体的な導入事例を紹介する。

今回提供を開始したのは、日本語処理に対応した6種類のワトソンサービス(ワトソン API)。具体的には、自然言語処理APIが4種類、スピーチAPIが2種類となっている。

人工知能ワトソンの具体的機能は、次のとおり。

●自然言語処理API
「自然言語分類」(Natural Language Classifier):質問文などの意図や意味を理解し、質問方法が異なっていても適切な回答を可能にする
「対話」(Dialog):質問する際の個人的なスタイルに合わせた会話を生み出し、自然なインタラクションを可能にする
「検索およびランク付け」(Retrieve and Rank):機械学習を活用し、ノイズが多く含まれるデータから意味のある「シグナル」の検知を支援する
「文書変換」(Document Conversion):PDFやWord、HTMLなど異なるフォーマットのコンテンツを、ワトソンサービスで利用可能なフォーマット(Retrieve and Rankなど)に変換する

●スピーチAPI
「音声認識」(Speech to Text):人間の音声をテキスト化する
「音声合成」(Text to Speech):テキストを自然な言葉で読み上げる

IBMのPaaS「Bluemix」で提供されるこれらのサービスをAPI経由で利用することで、コグニティブコンピューティングの能力を生かしたアプリケーションが容易に開発できる。特に、日本語の自然言語を理解し推察できる能力、そして音声インターフェースを備えたことで、企業における照会応答業務を支援したり、あるいは顧客からの紹介に直接応答したりすることが可能になった。

日本IBM 執行役員 ワトソン事業部長の吉崎敏文氏は、日本語対応した人工知能ワトソンサービスを通じて金融、医療、メディア、製造など、各業界のフロントランナーと共に、新たな“コグニティブビジネス"を創出していきたいと抱負を語った。両社では、戦略/企画立案やデータ検証、ワトソンの“学習/訓練"やアプリ開発、本番稼働まで顧客をサポートしていく。

国内のワトソンビジネスは、すでに金融、製薬、人材などさまざまな業界での導入実績がある。すでに企業での人工知能の活用は始まっているのである。

公式LINEアカウントにワトソンを組み込んだ三菱東京UFJ銀行

三菱東京UFJ銀行では、公式LINEアカウントに人工知能ワトソンを組み込むことで、ユーザーからの質問を理解し、適切な回答を行う仕組みを開発した。今後はさらに活用領域を拡大し、Web上で顧客に適した金融商品を提案する「eファイナンシャルプランナー」の開発なども計画している。

論文データの収集と分析にワトソンを活用する第一三共

製薬メーカーの第一三共では、創薬プロセスが長期間にわたる原因となっている膨大な論文/データの収集と分析や、適切な研究テーマの選定などに人工知能ワトソンを適用していく方針。「1つの新薬開発に10年、1000億円以上かかるのが当たり前というのが現状。創薬研究者の『英知』と『勘』をワトソンに集積することで、創薬を効率化できないかと考えている」(同社)。

人材マッチングの業務に、ワトソンを活用するフォーラムエンジニアリング

技術者派遣業のフォーラムエンジニアリングでは、企業からの求人に対して最適な登録者を紹介する人材マッチングの業務に、人工知能ワトソンを活用していく計画。人間のコーディネーターではなく、ワトソンがマッチングを行う「インサイトマッチング」サービスを、今年4月から提供すると明らかにした。

グローバルでの人工知能ワトソンは、すでに100社以上の顧客と、400社以上のエコシステムパートナーを持つ。国内でも、すでに150件を超える大手企業からの引き合いがあり、ワトソンの導入を具体的に検討している段階だという。
http://ascii.jp/elem/000/001/121/1121966/


著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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