CLOSE UP コラム | キユーピー、グーグルのディープラーニングによる原料検査で生産性2倍に。

キユーピー、グーグルのディープラーニングによる原料検査で生産性2倍に。

CLOSE UP 事例

2017年07月24日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

キユーピー株式会社は、「Google Cloud Next 2017 in Tokyo」にてディープラーニングを駆使した原料検査装置開発の取り組みを紹介した。それまで人力で行っていた食品製造ラインの不良品検知にディープラーニングを道入することで、生産性が二倍に上がったという。

1万8000枚の画像からディープラーニングで良品の特徴を学習。

同社が導入したディープラーニングは、ベビーフード用のダイスポテト(賽の目状にカットされたジャガイモ)の原料検査装置である。従来はひとつの製造ラインに100万個ある原料に対し、異物混入や不良品がないかを人が目視で検査していたのに対し、ディープラーニングの画像処理技術などを使って自動化した。採用したのは、米グーグルが開発したオープンソースのディープラーニングフレームワークである「TensorFlow」。処理性能や汎用性が高く、技術レベルも優れていたことが採用のポイントとなった。

2016年11月にグーグルとデータサイエンス分野に強みを持つITベンダーのブレインパッドの支援を得て、概念検証(PoC)を開始。1万8000枚の製造ラインの画像を読み込ませて、良品の特徴をディープラーニングで学習させた。TensorFlowを不良品と良品の分類に使うのではなく、良品のデータのみを学習させることで精度の向上と学習時間の短縮を両立できたという。

2017年2月には試作版が完成し、実証実験の結果、ディープラーニングによる検査システムで大まかに不良品を排除し、取りこぼしを人が目視で確認することで生産性が2倍に高まったという。ディープラーニングの導入で、人が常にチェックし続ける必要がないため、現場の負担軽減にもつながっている。同社では、2017年8月にはディープラーニングのアルゴリズムやカメラなどの装置全体を改善して、工場での本格稼働を予定している。

以上、下記URLからの要約
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/061401658/


著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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