2017年05月22日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一
ビッグデータブームに後押しされ、一気に利用が拡大したオープンソースの分散処理基盤「Apache Hadoop」。2016年、公式に誕生してから10年目を迎えたHadoopは、最先端のIT企業だけではなく、幅広い業界、多様なビジネスからから注目を集めている。海外の基準でみると、世界的に普及しているHadoopが、国内ではやっと実用化が始まった段階に入り、その認定資格にも注目が集まっている。
Hadoopの商用ベンダーとしていち早く設立されたClouderaの日本法人から、Cloudera University Japan トレーニングマネージャー兼シニアインストラクター 川崎達夫氏に、Hadoopの現状や、同社が提供しているHadoopのトレーニング、認定資格について聞いた。
Cloudera 社は、Hadoopプロジェクトのリーディングカンパニーとして、コミュニティーを支え、Hadoopの普及にも貢献してきた。Clouderaの日本法人が設立されたのは2012年4月。そして、Hadoopのみならず、機械学習、Python、Rなど全世界の50以上の都市で累計40,000万人以上のエンジニアにオンラインでトレーニングを提供しているのが、Cloudera University ある。
現在、Cloudera Universityで提供しているトレーニングコースには「Hadoopエッセンシャル ~1日でHadoopやビッグデータを学ぶ~」という初級コースから、開発者向けトレーニングや管理者向けトレーニングまで幅広い。
Cloudera Universityが提供する認定資格は、難易度によって「Cloudera認定アソシエート(CCA)」と「Cloudera認定プロフェッショナル(CCP)」の2レベルに分かれる。CCAがベーシックレベル、CCPがプロフェッショナルレベルであり、認定資格の有効期限は、CCA認定が2年間、CCP認定が3年間となる。
CCAには3種類、CCPには2種類の資格がある。また、これらの資格は対象者・対象スキルにより管理者、データ分析者、開発者という3系統にも分かれていく。
CCAの「Cloudera Apache Hadoop 認定管理者(CCAH)」が該当する。Clouderaの認定資格でありながら、試験内容はClouderaディストリビューションに限定せずHadoopの運用管理について幅広く問うもの。なお、この資格は近く新資格「CCA 管理者」へ切り替わる予定。
「CCA データアナリスト」と「CCP データサイエンティスト」がある。データ分析が業務担当者向けとなり、データ可視化やデータをどう取得するかなどのスキルが問われる。
Hadoop 認定資格のなかでも難易度が高いのが、「CCP データサイエンティスト」である。統計学や機械学習などの知識とともに、資格取得には3種類の試験が用意されている。ほかの資格は全て1試験であるのに対して、試験数も違い、英語による試験となるため語学力も問われる。
「CCA Spark & Hadoop 開発者」と「CCP データエンジニア」がある。データをアプリケーションで用いるためにデータの移動や変換などのスキルが問われる。こちらも現在は英語試験のみだが、今後は日本語試験を提供する予定。
なお認定試験は、オンラインで受講できる。
下記サイトからの要約。
http://shikakuzine.jp/article/detail/369
http://www.cloudera.co.jp/university/certification.html
1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。
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