CLOSE UP コラム | マイクロソフトの人工知能戦略とは?

マイクロソフトの人工知能戦略とは?

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2017年02月06日
オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

米マイクロソフトは、2016年9月に開催された技術カンファレンスにおいて、同社が人工知能製品を強化する方向性を打ち出した。

まず、同社の複数チームを統合し、新たにMicrosoft AI and Research Groupを立ち上げた。これは、5000人というメンバーで構成される空前規模の人工知能研究グループとなる。

そのほかアプリケーションである「Office 365」や「Skype」には、知的な能力を向上させる新機能が搭載され、Azureは、コンピュート能力を大幅に向上させることになるという方向性もあわせて発表された。

これらの発表から見えてくるマイクロソフトの戦略とは、ずばり、人工知能の大衆化だ。

マイクロソフトが掲げる人工知能の4つの柱。

マイクロソフトCEO、Satya Nadella氏は基調講演の冒頭で、マイクロソフトの目標は「人工知能の民主化」であることを明言した。同氏は、「ゲームで人間を打ち負かすような人工知能」ではなく、「人間や組織に力を与える人工知能」こそがマイクロソフトの目標であることを語った。

この人工知能の民主化を実現するための同社の取り組みを支える4つの柱として、同氏はエージェントとアプリケーション、サービス、インフラを挙げている。

(1)エージェント

Nadella氏が言うエージェントとは、マイクロソフト社の「Cortana」のような知的エージェント(IA)を指す。同氏はエージェントを、OS、ウェブに次ぐ3つ目のプラットフォームとして位置づけ、人間とコンピュータのやり取りを仲介するうえでの支援となり得る新たな「組織化レイヤ」だと表現した。

たとえば、Cortanaは機械学習機能によって、ユーザーが電子メールのやり取りのなかで約束したこと、例えば後で実行すると書いたことを理解し、その約束を遂行するよう促すのをはじめ、生活のあらゆる側面でコンピュータが活用されるように、ユーザーの趣味に焦点を当てるようになっている。

 

(2)アプリケーション

Nadella氏によると、マイクロソフトは「Office 365」や「Skype」といったアプリケーションを、人工知能を活用してよりインテリジェントなものにしていくプランを発表。

同氏が最初に挙げた例は「SwiftKey」だった。マイクロソフトはSwiftKeyにニューラルネットワークを搭載し、ユーザーが次にスワイプするであろう単語を予測する際の精度向上につなげようとしている。同氏は、キーボードがデバイスに付属するものではなくなり、「キーボードはあなたに寄り添うものとなる」と表現した。

(3)サービス

サービスという柱は、「Cortana Intelligence Suite」を軸としたものだ。Cortana Intelligence Suiteには最近、複数の新機能が搭載された。また、同社の開発者会議「Build 2016」で披露されたボット開発フレームワークによって、ユーザーは「Skype」や「Slack」といったアプリ向けの人工知能を活用したインテリジェントなボットの開発をより容易に進められるようになる。

(4)インフラ

インフラでは、「マイクロソフト Azure」に焦点が当てられた。現在、クラウドプラットフォームとしてのAzure上では、同社の人工知能を活用した深層学習ツールキット「Computational Network Toolkit」(CNTK)や、Googleが開発したオープンソースの深層学習フレームワーク「TensorFlow」といった機能が利用できる。

最近、マイクロソフトはそれらを支えるハードウェアであるFPGA(Field Programmable Gate Array:内部の論理ゲート構成を書き換えることができるLSI)にさらに投資し、Azure内のあらゆるコンピュータノードでサポートできるようにしようとしている。FPGAへの投資によって、実質的に、Azureクラウドに「AIスーパーコンピュータ」をもたらす取り組みが加速されることになる。

下記サイトからの要約。
http://jp.techcrunch.com/2016/09/27/20160926microsoft-ceo-satya-nadella-on-how-ai-will-transform-his-company/
http://japan.zdnet.com/article/35089640/
http://japan.zdnet.com/article/35089803/


著者プロフィール

オープンソース活用研究所 所長 寺田雄一

1993年、株式会社野村総合研究所(NRI)入社。 インフラ系エンジニア、ITアーキテクトとして、証券会社基幹系システム、証券オンライントレードシステム、損保代理店システム、大手流通業基幹系システムなど、大規模システムのアーキテクチャ設計、基盤構築に従事。 2003年、NRI社内に、オープンソースの専門組織の設立を企画、10月に日本初となるオープンソース・ソリューションセンター設立。 2006年、社内ベンチャー制度にて、オープンソース・ワンストップサービス 「OpenStandia(オープンスタンディア)」事業を開始。オープンソースを活用した、企業情報ポータル、情報分析、シングルサインオン、統合ID管理、ドキュメント管理、統合業務システム(ERP)などの事業を次々と展開。 オープンソースビジネス推進協議会(OBCI),OpenAMコンソーシアムなどの業界団体も設立。同会の理事、会長や、NPO法人日本ADempiereの理事などを歴任。 2013年、NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。

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